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歴史を再現
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世界史授業ライブB
   ――使えるプリント付き――
 
歌に演劇、ラテンの知が騒ぐ著者十八番のヨーロッパ史25講(ゲルマン民族大移動から重商主義まで)を完全収録。歴史用語が日常語に翻訳されていて分かりやすいと好評。プリント(山川版教科書対応)付き。                   
著者=河原孝哲
体裁=A5・208ページ
本体価格=2,000円
発行日=2013年3月20日
ISBN=978-4-88527-213-4
在庫=あり
   
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目次


はじめに

51 ≫ ゲルマン民族大移動
 ―ヨーロッパ史の始まり。基本をしっかり押さえておきましょう

52 ≫ フランクとローマ教会の発展 
 ―教会は中世ヨーロッパの中心部。教会史を興味深く説くのがコツ

53 ≫ カール大帝とフランク王国の分裂 
 ―カール大帝の戴冠の意義をわかりやすくまとめましょう

54 ≫ ヴァイキングの侵入と封建社会の成立 
 ―「第2の民族大移動」。それぞれの地域ごとに整理しましょう

55 ≫ 封建社会の成立と教会の権威 
 ―封建社会は日本史と対比しながら。教会史はわかりやすく説明

56 ≫ 教会の権威とビザンツ帝国 
 ―生徒には縁もゆかりもない「叙任権闘争」史がヤマ場です

57 ≫ ビザンツ帝国の社会と文化・スラヴ民族の自立 
  ―たくさんの民族をどう整理して紹介するか。地図を活用すべし

58 ≫ 十字軍とその影響 
 ―経過もさることながら、十字軍の原因と結果はもっと重要

59 ≫ 商業の復活と中世都市の成立 
 ―中世ヨーロッパの分岐点。入試でも頻出の重要ポイントです

60 ≫ 封建社会と教皇権の衰退 
 ―カネと疫病が新しい世界を作る。新旧の世界を対比すると…

61 ≫ 教皇権衰退と議会制の起こり 
 ―「会議」と「議会」が今回の中心点。どちらも重要です

62 ≫ 議会制の起こり(続)と百年戦争 
 ―「百年戦争」を経て、なぜフランスの王権は強化されたのか

63 ≫ ヨーロッパ諸国の中世史 
 ―英仏以外のヨーロッパ史。スペインとドイツを中心に

64 ≫ 北ヨーロッパ史と中世文化 
 ―文化は「普遍論争」がやっかい。これを説明できれば大成功

65 ≫ 大航海時代 
 ―歴史的に重要、かつ入試にも頻出する時代なのに時間がない!

66 ≫ スペインのアメリカ支配と商業革命・価格革命 
 ―ヨーロッパの優位の始まり

67 ≫ ルネサンスT 
 ―いくら頑張ってもキリのない泥沼地帯。まずは文学史から

68 ≫ ルネサンスU 
 ―続きは美術史。「資料集を見ておけ」で済ませちゃもったいない

69 ≫ ルターの宗教改革 
 ―ルターの思想・生涯をたどって流れを説明すると理解しやすい

70 ≫ プロテスタントの広まり 
 ―カルヴァン派の特徴をつかみ、他の宗派も説明しておくと後が楽

71 ≫ 対抗宗教改革と主権国家体制の成立 
 ―以前とは用語が異なっているので注意しましょう

72 ≫ スペインの全盛期とオランダの独立 
 ―早い話がハプスブルク栄枯盛衰記

73 ≫ イギリスとフランス 
 ―エリザベスとカトリーヌ、二人の女性が主人公です

74 ≫ 三十年戦争 
 ―ヨーロッパ最大にして最後の宗教戦争。混乱しやすいので要注意

75 ≫ ロシアの台頭と重商主義 
 ―ロシア前史の復習が必要、重商主義の把握は大変
                   
 
第B巻「まえがき」より

 
 はじめに、このシリーズで私が表現上留意していることについて述べてみます。
 専門書を読むと、歴史用語の表現が難しいのには困ります。
 例えば「資本主義」という用語の説明はどうでしょうか。
 「工場・機械・資金などの生産手段を所有する資本家が、自らの労働力しか持たない労働者を雇って、商品を生産する経済社会の仕組みのこと」(山川出版社「世界史B用語集」より)
となっています。たしかに正確な表現です。でも普通の生徒には、説明にもう一工夫必要でしょう。まず用語表現を易しく「翻訳」していくことが教員の仕事になります。私だったら次のように変えてしまいます。
 「資本主義」=「お金を価値の中心にする考え」
 他の用語についても紹介しましょう。
 「封土」=「契約でもらった土地」
 「封建制度」=「土地の仲立ちで主従関係を決める制度」
 「社会主義」=「経済的な平等を重んじる考え」
 「重商主義」=「政府が商人や貿易をえこひいきする政策」
 「マニュファクチュア」=「工場で、手作りでモノを作るシステム」
 少々乱暴な「翻訳」ではありますが、生徒にイメージできるわかりやすさを優先しました。
 まず、一行で説明できるようにすること。できるだけ平易な表現を使うこと。意訳していても、もとの語意表現を反映した説明にすることを心がけ、つねに改訂・改善に努めています。この本の中にも私が考えた、歴史用語の「翻訳」が入っていますが、もっと良い表現があれば、教えていただければ幸いです。
 世界史で生徒が拒否反応をおこすのは、カタカナ名や中国の難解な漢字です。どうしたら受け入れられやすくなるのでしょう。これも工夫が求められます。
 まず、ギリシア人やローマ人の名前にアレルギーを起こすことが多いので、私は「ギリシア人の男性の名前には、語尾がosで終わる場合が多い(ギリシア語男性主格)。たとえばアレクサンドロスやプトレマイオスと説明します。
ローマの男性の名前はus、女性の名前はaで終わる場合が多い。例えばアウグストゥスやタキトゥス。女性はクレオパトラ(ラテン語の男性第一変化主格と女性第一変化主格)」と説明しています。
中にはヘソ曲がりな生徒がいて「カエサルはウスで終わってないぞ」と言ってくる場合がありますが、「ユリウス=カエサルだからOK」なのです。(「カエサル」などラテン語の家族名はラテン語の第三変化で不規則な場合が多い)
 チベットの吐蕃の建国者ソンツェン=ガンポみたいに突然で出て来るカタカナ名は、歌にしてしまう場合もあります。私の場合は昔の「ウルトラマンエース」のメロディーで、「行け、行け〜、ソンツェン=ガンポ〜!」と歌ってしまうのですが、そのおかげで生徒のテストの正答率はなかなか高いです。
カタカナ名で一番生徒が悲鳴をあげるのは「マルクス=アウレリウス=アントニヌス」。これは重要な名前なので強引に覚えさせます。やりかたは漢文の暗唱と同じで、10回ばかり「マルクス=アウレリウス=アントニヌス!」と生徒に唱えさせますが、けっこう生徒は覚えてくれます。
 漢字の場合は難しい。「王羲之」などは、黒板に巨大な「羲」の字を書き、その場で10回ぐらい書かせたりもします。「耶律阿保機」や「完顔阿骨打」などは「莫迦な暴走族が『夜露死苦』みたいに旗に書きそうな名前だ!」と失礼な言い方をしてしまうのですが、これでけっこう覚えてくれます。
 板書にマンガ的な表現を持ち込んだりもします。歴史では「ムカつく」という感情から事件が起こることも多いのですが、その場合、私は名前に怒りマークを添えてしまうことも多いのです。
 恋愛関係にはハートマーク、焦っている時には汗マークをつけると、単調な板書が生き生きしてきます。メールの絵文字などを参考にして、板書に書いてみたらいかがでしょうか。(後略)

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